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2014/10/03

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質にこだわる訳

「品物を売ってはいけない、人間を売り込むんだ。」

ハウスメーカー時代上司がよく言っていた台詞、一見なるほどと思わせる台詞ではあるがしばらくするとその本意が垣間見えてくる。

メーカーの標準仕様は売りやすい単価、要するに単価を安く設定するためにどのメーカーも使用する材料はあまり変わらなくなってくる、安くてまあまあ見栄えのする商品がもてはやされる。

そんな状況で商品の説明をしても他社と何ら差別化にはならない、その上ローコストメーカーほど安くもないので、結果商品の話はあまりせずに建築一般の話の他は自分を売り込むことに力を注ぐようと教えられる。

又メーカー系の営業マンは建築経験ゼロの場合が多いので、建築の話より自分を売り込む方が一石二鳥である。

そんな中に工務店で設計と現場管理を経験した自分が入ったので当然上司とぶつかることも多かった、何せどの支店長も営業上がりのため技術的にはほぼ素人、会社としての材料、仕上がりが建築の全てなのだから仕方ない。(本来私は技術系で入社したのだがいつの間にか営業へ)

そんな日々が2年ほど続くとやはり疑問を抱くようになってくる、自分を売り込んで自分を信用してくれて家造りを任せてくれたかに供給するのがこの質の建物で良いのか?名誉のために行っておくと決して質が悪いわけではない、自由のきかない間取り・高い請負金額の割には?な材料・営業に対する意識に比べて低い現場意識等の疑問が埋められなくなってくる。

他を知らずにこれが最高なのだと聞かされている営業マンなら持たない疑問なのだろうが、他を知っているだけにタチが悪い社員だっただろう。

そんな時代を経て独立したが現在でも自分を売り込むことにトラウマに近い物がある(まあまあの品物を人間性だけで建ててもらうことに辟易しているといった方が近いか?)、ホームページや媒体上に個人としてあまり表に出ることをしていない、しかし思い存分品質にこだわり性能にこだわれる事に幸せを感じている。

今でも会社経営のプロやコンサルタントは代表者として自分を売り込むのは必要だという意見もあるが、そんなときは「たまには私のような変わった経営者がいても良いでしょ(笑)」と強がりを言ってしまう、経営者としてもだが技術者としても物にこだわれる現在はやはり幸せである。

長野県-北信・東信で自然エネルギー利用パッシブハウス、W断熱-Q1.0省エネ・低燃費住宅の新築、リフォーム     山本建設株式会社

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